ネックは、ギターにとってとても大切なパートです。まずは、できるだけ状態が安定してほしいですね。生鳴りが豊かだとより良いですし、ここは好みが分かれると思いますが美観もあってほしくはないですか?
美観と安定性を兼ね備えた材料としては、こちらのギターに採用されているカーリー・メイプルがイチオシです。当店では、ハード・メイプルで、かつ木目が出ている材料のことを、カーリー・メイプルとしています。
ボディ材に使用されるド派手なフレイム杢やキルト杢は、多くの場合、ソフト・メイプルだそうです。ハード・メイプルと比べると少し柔らかい場合が多いようで、当店では強度が必要なネック材のメイプルは、ハード・メイプルと決めています。
カーリー・メイプルの場合は、ソフト・メイプルのように強い木目が出ることは多くありません。でも、その控えめな木目がなんとも上品で、根強いファンがいらっしゃいます。
うっすら木目が多いカーリー・メイプルですが、このギターのネックはご覧の通り、とても強く木目が出ています。この木目の強さは特筆すべきものですが、もう一つ特別なことは、柾目に木取りされていることです。柾目と板目とで、柾目の方が希少だというのはよく言われることですが、これだけ強い木目の出たカーリー・メイプルで、柾目材というのは極めて珍しいです。
強い木目が出ているネックは美しいですが、強度面にやや不安をお感じになる方がいらっしゃいます。その点、柾目取りされていますので、全く反らないということはありませんが、板目のカーリー・メイプルよりは強度面での信頼感が持てると思います。
そのうえさらに指板材がとても希少なハカランダだというのですから、このネックの希少性はたいへんなものですよ。ハカランダは独特の赤黒い光沢感と木目が美しく、硬いわりに粘る感じもあり、寸法の安定性も高い、という印象があります。安定感もあり、美観もあるということで、特別なカーリー・メイプルとの組み合わせるのには、ちょうどおあつらえむきの材料だと思います。
希少であればよいわけではありませんが、そこは2020年に60周年を迎えるフジゲン製です。希少かつ良質な材料がうまく使いこなされ、良い状態のギターに仕上がっています。入荷後、当店の技術担当による検品、調整済みです。
カーリー・メイプルの木目、またネックサイドにのぞくハカランダの木目が、ギターを持って構えるときに、贅沢で満ち足りた気持ちにさせてくれます。それがこのギターならではの、大きな魅力だと思いますよ。
所有する歓びをお感じ頂けるような、とても特別なギターができました。もう一度つくりたくてもつくることのできない、これ1本しかないギターです。是非、ご検討ください。
===スペック(仕様)===
■ボディ
アルダー(センター2ピース)
■ネック
カーリー・メイプル(柾目)、648mmスケール
■フレット
ミディアム・サイズ、22フレット、サークル・フレッティング・システム
■フィンガーボード
ハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)
■チューニングマシン
GOTOH SG381-AB07 MG-T (軽量なアルミ・ボタン)
■ブリッジ
Wilkinson by GOTOH VS100N
■ピックアップ
ES-V5FR(ネック側)、ES-V5C(センター)、EHO-V5FR(ブリッジ側)
※FUJIGENオリジナル・ピックアップ
■コントロール
マスターボリューム、マスタートーン、5ウェイ・セレクター(レバースイッチ)、コイルタップ(ミニスイッチ)
■ハードケースが付属します。
(neo)